農村に泊まった晩を思い出させてくれる本

史铁生の《来到人间》を読んでいます。

久々に著者の他の作品も読みたくなる作家に出会えました!

《来到人间》は著者の短編小説、随筆を収録したものです。現在、半分まで読んだところです。著者が農村へ働きに行った(插队)時の生活について書いた随筆が本の最初にあるのですが、わずか10数ページの牛にまつわる文章を読んで、すぐに魅了されました。次の《插队的故事》でさらに魅了され、この作家に出会えた喜びで今は胸がいっぱいです。

中国へ留学したばかりの頃、中国の農村に泊まったことがあります。当時、まともな会話は全然できませんでした。今ではなくなってしまったその農村の家で、温かいオンドルに横たわって布団にくるまって一晩過ごした時のことを、この本を読んでいて思い出しました。私が体験した農村は短期間のものでしたが、それ以来、列車に乗って、都市部を離れて農村のある地域へ足を運ぶ度に、なんとも言えない懐かしい想いと、戻ってきたんだという不思議な安堵感が湧いてきます。この本は私の中の農村の思い出を彷彿させてくれるものでした。

小説でも、農村生活を書いたものはありますが、著者自身の体験を振り返った随筆だからこそ、農村の匂い、温度、色彩が一層伝わってくる気がします。

この本はねずみのチュー太郎さんからいただきました。以前、オンラインレッスンの先生からもお勧めされたことがあります。20歳で半身不随となり、その後透析生活を余儀なくされた方です。「本業は病気。余暇に執筆している」と語っていたそうです。

読み進めるのがとても楽しみです。

文章には方言が少し出てきますが、前後の文脈から意味を想定することができたり、特に意味のない方言だと判断できたりするので、読解にほぼ影響しません。刘震云の《一句顶一万句》のような、シンプルな文体でとっても読みやすいです。どうしてこんなに読みやすいのだろうというくらい、読みやすいので、初めての方にもおすすめです。

ねずみのチュー太郎さんにいただいてから、すぐに読まなかったことを後悔しました。この方の他の作品も絶対に読みます。

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